ほんの数年前、トップレベルのレストランのメニューの材料は外国産の食材で占められていました。 ところがそれ以降、身近な場所で育っているもの、あるいは近場で狩られたり採られたり、捕まえられたものを使う有名シェフが増えています。
長いこと、フランスはサヴォワ県のマルク・ヴェイラ、イタリアはロンバルディア州のナディアとアントニオのサンティーニ夫妻、カリフォルニア州バークレイのアリス・ウォータースといったシェフは、主に地元の食材を使ったことからかなり変わった異端児と見なされていました。
デンマークはコペンハーゲンでルネ・レッゼピの「ノーマ」が世界最高のレストランに3年連続で選ばれると、地元や地域の食材の熱心な支持者が食の愛好家から注目されるようになりました。 ペルーの首都リマのガストン・アクリオ、オーストラリアはシドニーのカイル・ウォン、フランスはオーブラのミシェル・ブラ、アイスランドはレイキャビックのグナー・カート・ギズラン、スウェーデンの首都ストックホルム沖にある小島オアクセンのマグナス・エックらは、「近所に」生えていたものやレストランのキッチンから見える範囲で見つかった食材だけを使います。 彼らは揃って、農家や酪農家や漁師、小規模の食品製造者、近場でハーブやキノコを収集する人たちと緊密な関係を保っています。 彼らの目指すところは、 地元を味わうこと、ルネ・レッゼピの言葉を借りれば「生きる空間の再構築」です。
食品生産のグローバル化と工業化の時代にあって、彼のような「自然の前衛派」は、絶滅に瀕した地域の動物の復活や、同じく絶滅に瀕しているハーブ、果物、野菜の栽培を、自然な需要に合わせて行うよう促しています。 この運動は忘れられた素材や新たな素材の発見にもなっています。 ガストン・アクリオはアンデス山中にある彼の(ペルー料理の)キッチンで、つい最近まで美食の最先端で避けられてきたアルパカやギニアピッグを使うことに回帰しています。 新しいスカンジナビア料理は現地のコケ、木の実、地衣類、材木に魅入られており、ベルリンのトップシェフ、ミカエル・ホフマン(「マルゴー」)は、ブランデンブルクの自宅の庭で果物、野菜、ハーブを栽培しています。
行き過ぎた分子調理法の後、トップレストランで出されるこうした「新しい」地域や地産の料理がそれに対する目立った対抗運動になっています。とはいえ、調理の過程ではフェラン・アドリアが確立した「分子」調理法を用いることが多いのですが。
リンク: マルク・ヴェイラ:www.marcveyrat.fr ナディアおよびアントニオ・サティーニ:www.dalpescatore.com アリス・ウォータース:www.chezpanisse.com ルネ・レッゼピ:http://noma.dk ガストン・アクリオ:www.astridygaston.com カイリー・ウォン:www.kyliekwong.org ミシェル・ブラ:www.bras.fr グナー・カート・ギズラン:http://dillrestaurant.is マグナス・エック:oaxen.com