プレスリリース

修理、リファービッシュ(再生)、リサイクル:Miele、国際的なパイロットプロジェクトを開始

20240924

Mieleにおけるサーキュラリティに関するQ&A

(※ドイツにて 2024/8/23 に配信された和訳版となります)


ドイツ・ベルリン/ギュータースロー発、2024年8月23日 – 未来は循環型です。Mieleは、サーキュラーエコノミー(循環型経済)における最初の製品コンセプトを打ち出し、開発しています。


サーキュラリティとは何を意味しますか?

サーキュラリティ(循環性)とは、製品や材料を何度も再利用し、循環し続けることを意味します。サーキュラーエコノミーという用語は、英語では一般的に使用されています。サーキュラーエコノミーのコンセプトは、「ゆりかごからゆりかごへ(cradle to cradle)」やエレン・マッカーサー財団などの提唱者にまで遡ることができます。彼らによると、「材料が決して廃棄物にならず、自然が自ら再生する」システムを意味します。これを実現するために、メンテナンス、リユース(再利用)、リファービッシュ、リマニュファクチャリング、リサイクル、堆肥化などのプロセスが用いられます。

 

なぜサーキュラリティがそれほど重要なのですか?

地球上の天然資源は限られています。従来の経済システムは、物を生産し、購入し、使用し、廃棄するという直線的なプロセスを特徴としています。これまで、製品の寿命や、リサイクルや再利用などの側面はあまり注目されてきませんでした。リニアエコノミー(直線型経済)からサーキュラーエコノミーへの転換により、特に新しい資源の使用が減ることになるでしょう。このようにして、サーキュラリティは気候変動や生物種の消失といった悪影響の減速に寄与します。サーキュラーエコノミーはサステナブルな未来を支えます。

 

サーキュラーエコノミーのメリットは何ですか?

サーキュラリティには、環境面と経済面のメリットがあります。鉄鉱石、石炭、原油といった金属やプラスチックの基礎原料が再生することはありません。その一方で、私たちは経済成長を目指しているため、何もしなければ、これらの資源が現在よりもはるかに希少になるか、完全に枯渇することは避けられません。これはMieleの事業活動にも影響を与えます。
希少資源が材料価格や市場入手性に影響するからです。これに加えて炭素税の上昇などの影響も考えられますが、CO2削減材料や循環型ソリューションで対抗することができます。したがって、資源を節約することは地球の保全に貢献することであると同時に、企業にとっての経済的必要性でもあります。

 

Miele はどのような形でサーキュラリティを実践していますか?

サーキュラーエコノミーには、いわゆる「R 戦略」があります。つまり、Refuse(拒否)、Rethink(見直し)、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Repair(修理)、Refurbish(リファービッシュ/再生)、Remanufacture(リマニュファクチャリング/再製造)、Repurpose(転用)、Recycle(リサイクル)、および Recover(回収)アプローチです。これらのうちいくつかは、メーカーである Miele に最大の強みをもたらします(リファービッシュ、修理、リサイクルなど)。Miele は、これらをサステナビリティ戦略に取り入れ、あるべき実践方法の検討を徹底的に進めています。そこで、これらのテーマを深く掘り下げるために、最初のパイロットプロジェクトに着手しました。その理由は、私たちの長い旅はまだ始まったばかりだからです。

 

Miele はどのようなパイロットプロジェクトを行っていますか?

Miele は、いくつかのパイロットプロジェクトに取り組んでいます。

オランダでは、2022 年から大規模なリファービッシュプロジェクトを実施しています。これには Miele 洗濯機をリファービッシュ(つまり、点検、修理、洗浄)し、「リファービッシュ品」ラベルを付けて、関心のある顧客に販売することも含まれます。(プレスリリース No. 122/2023:Miele、サーキュラーエコノミーへの取り組みを強化し、洗濯機に「第二の人生」を与える(英語)を参照)。専門会社によるドイツの高品質電子部品の再生修理戦略に合致します。電子部品は、リファービッシュに適していない洗濯機から回収されます。電子部品は消費者や専門会社に販売され、修理交換品として使用されます。

2024 年 7 月以来、Miele はいくつかのヨーロッパ諸国で、自社のカスタマーサービスとサービスパートナーを通じて、新品スペアパーツの代わりに再生電子部品を提供しています。このサービスは当初、12 種類の一般的な電子制御部品が対象で、順次拡大する予定です。

オランダのプロジェクトでは、そのほかにも材料組成上リサイクルに適した洗剤ディスペンサーを洗濯機から回収しています。プラスチック材料は分別され、リサイクル会社に送られ、そこで粒状に加工されます。Miele は、この材料を品質や将来の潜在用途の研究に利用しています。

オランダの洗濯機からは鋳鉄製の軸受台と重りも回収され、Miele のギュータースロー本社にある鋳造所で再溶解処理されます。そこでの生産は、ほぼ 100%がリサイクルによるものです。

また、Miele はさまざまな研究プロジェクトにも関与しています。「it's OWL」イノベーションクラスタの一環として、科学研究機関と企業が「持続可能なライフサイクルエンジニアリング」(SLE)プロジェクトに協力して、持続可能性の影響を長期的に透明化する総合的なシステムモデルを開発しています。「ZirkuPro」研究プロジェクトは、完全循環型製品の開発に貢献することを目的とするインテリジェントな技術システムに重点を置いています。

 

Miele はこれまでにどんなことを達成しましたか?

Miele は、125 年以上にわたり、高品質で耐久性のある素材と優れた修理可能性を象徴してきました。これらは、Miele の家電製品をさらに循環型にするための理想的な条件です。Miele は、すでに最初の具体的な成功を達成しています。例えば、掃除機 Complete C3 シリーズのパッケージは、通常のポリスチレンの使用を廃止し、リサイクル材料で作られる成形繊維材料に置き換えました。ランドリーケア分野では、体系的な再設計と受賞歴を誇る新しい発泡成形技術の導入により、衣類乾燥機のベースモジュールの使用材料を 30%削減しました。加えて、モジュールの蓋にリサイクル材料を使用することで、従来どおりの高性能と耐用年数を維持しながら、新しいプラスチックの必要性をさらに減らしました。


Miele は循環型の家電製品を製造していますか?

完全循環型の家電製品の製造および量産化の道のりは長く、まだ道半ばです。しかし、Miele はこの方向に向けた第一歩を踏み出しており、循環型掃除機のコンセプトスタディを開発し、今年の IFAで発表します。


循環型掃除機のコンセプトスタディはどのようなものですか?

このスタディは、将来の修理と解体を可能にする完全なモジュラー型デザインの掃除機を示しています。使用材料はリサイクル材料で、完全にリサイクル可能です。メンテナンス要素はすべて色分けされており、フィルターは事実上自動クリーニング式です。このシステムについては特許出願済みです。循環型で非常に耐久性のある掃除機のコンセプトは、モノマテリアルと、接着剤に代わる差し込み式またはねじ止め式の接続、グリーンアルミニウム、そして消費者が自分で簡単に交換できる部品によって完成します。

 

サーキュラリティを実現する上での課題は何ですか?

最大の課題は、リニアエコノミー(直線型経済)に重点を置いた消費者の選択、サプライチェーン、廃棄物処理、研究プログラム/トレーニングの見直しです。これを克服することは大きな社会的課題です。その一方で、企業に影響を与える具体的な側面も多くあります。CBAM(欧州国境炭素調整措置)および EU-ETS(EU 排出権取引制度)規制により、持続可能性の低い材料は経済的リスクになりつつあり、サプライチェーンの監視強化が必要になっています。一部の資源は希少化が進み、価格が高騰しています。これは、企業が柔軟性を高めると同時に、使用材料の種類を減らす必要があることを意味します。


循環型掃除機の発売時期はいつ頃ですか?

コンセプトスタディは、循環型製品が将来どのようなものになるかを示しています。そのため、循環型掃除機がまったく同じ方法で量産化されることはなさそうです。しかし、このスタディから得られた知見は、Miele の家電製品を従来にも増して持続可能なものにするために、将来の製品開発に取り入れられる予定です。

以下の関連プレスリリースもご覧ください。
2024-088 サーキュラーエコノミー:Miele、IFA において循環型掃除機のコンセプトを発表

※当プレスリリースに掲載の掃除機・プロジェクトについて、日本での導入は未定です。


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