ヴィネグレット

キッチンの定番 vanillaechoes - stock.adobe.com

ヴィネグレット

手軽に作ることができるドレッシングの定番。でも数日前から準備が必要なバリエーションもある奥深いトピックです。

ヴィネグレット(フランス語で「vinaigrette」)は、1694年に出版されたかの有名なアカデミー・フランセーズの辞書に「酢、油、塩、胡椒、パセリ、チャイブで作られた冷製ソース」との記載があります。さらに酢と油の割合については、次のように述べています。「油は皇帝のように加え、酢は物乞いのように加える」現代の表現に置き換えると、油は大さじ3〜5、酢は大さじ1といったところ。油は低温圧搾の上質なヒマワリ油、オリーブ油、コーン油、菜種油がおすすめで、酢は白ワインビネガーが基本です。塩、コショウ、ハーブはお好みで。塩は入れすぎないよう注意しましょう。若干の酸味と塩味があり、ピリッとした刺激とハーブの香りがほのかに感じられる程度が理想。サラダの新鮮な風味を際立たせることができます。コツは、最初にボウルに酢、塩、胡椒を入れて泡立器でよく混ぜ、塩が溶けてから油と細かく刻んだハーブを加えること。あとは混ぜるだけで出来上がりです。

基本をマスターしたら、バリエーションに挑戦。まずは小さじ1のマスタードをプラス。味わいに刺激と深みが加わるとともに、乳化を促進して分離を防ぎます。砂糖少々かハチミツ小さじ1を加えると、余分な酢が和らいでまろやかに。小粒のケイパーやエシャロットのみじん切りを入れるとラビゴットソースに、ゆで卵のみじん切りを加えるとアメリカンスタイルのフレンチドレッシングになります。もちろん、ハーブのバリエーションも忘れてはなりません。チャービル、タラゴン、ディル、ラベージ、バジルなど、オプションは無限。スプリングオニオンのみじん切り(白い柔らかい部分のみ)と湯むきしたトマトの角切りのコンビネーションは絶品。このほか、レモンやライム、オレンジの絞り汁を加えるのもおすすめです。

ヴィネグレットの最もディープなバリエーションのひとつが、ロンドンのチェルシー地区にレストランを構える一流シェフ、ゴードン・ラムゼイのレシピ。白ワインビネガー、オリーブ油、エシャロット(旨味が凝縮された皮と根をつけたまま縦半分に)、ニンニク(皮つきの丸のまま半分に)、タイム、ローレル、コショウ(ホールのまま)、砂糖、塩をボウルでやさしく混ぜ合わせ、オーブンの隣で72時間寝かせるというもの。オーブンからのほのかな熱が全体をなじませ、深みのある味わいになるといいます。最後に目の細かい濾し器で濾すこともお忘れなく。

文:ライナー・マイヤー